可愛いお馬鹿幼妻
新たに来た住込みワーカーの幼妻夫婦が働き出して、一週間になる。
今のところ、良く働いてくれていて嬉しい。
嬉しいに加えて、助平なハムケンはその幼妻が可愛くて仕方がなく、嫌らしくも何時もじっと見ている。
たまに目が合うと、嫌な顔もせずニコッっと笑ってくれてかわゆい。
女という生き物は、どんなにお馬鹿でも、誰が自分を好いていて誰が嫌っているかを、本能的に正確に感じ取ることが出来る。
この能力は、自分に興味のある良い男が来たときに適切に対応する為に重要だ(普段は閉じている扉をその時だけ開く為)。
男にはこの能力がない。嫌われているのに、それが分からず言い寄ったりする。
社会においても、「ブルータスお前もか!」なんてことが人生で一度や二度ではない。
女には多分そんなことはないんじゃないだろうか。
言い寄られて間違って悪い男に心を許したら、僕のかみさんのように人生を棒に振ってしまう。
それはともかく、どうして可愛いかと言えば、
①仕事中は、無駄口無く黙々と休みなく働いてくれる。
②働く動作があどけない少女みたい。
③乳が張って滲み出る母乳をタオルを巻いて頑張っているところが切ない。(母乳が勿体無いので、絞ってフリーズして、田舎の子供に送れないか真剣に考えて見たが、冷蔵の配送サービスがないので無理と分かった。ここからバンコク市内なら出来そうだけれど、10時間掛かるタークの山の上は無理。)
④仕事が終わっても、まだまだ元気で晴れ晴れとした表情になる。仕事中は無口なのに、仕事が終わるといろいろ僕に質問してくる。マシュマロちゃんよりも僕に話し掛けることが多いところも可愛い。
⑤言われたことを素直にその通りやる。
⑥モン族には珍しく、僕らのように何時も夫婦一緒に行水してイチャついている。行水からタオル一枚巻いて出て来た時は、僕は久々に女の匂いにムンムン、ムラムラした。
やっぱり、本来女は10代が食べ頃なんだ。
冗談はさておき、炎天下でもずっと一日中働けるので、
「炎天下だと頭が痛くならないの?」と聞いてみた。
「ならないわ。なったことない。」
田舎では、朝5時から家族の食事の用意をして、それが終わると55ライ(90000平方メートル)の畑(主にトウモロコシだけど)の世話をしていたので、5ライの僕らの農園なんてへっちゃらだい、と言うことらしい。
旦那の方は、言わないとボーとしているだけで駄目な奴かと思いきや、言えばちゃんとやる。言わないと何をして良いのか分からなかっただけ。
働き出して一週間目に、
「月末に帰って、子供を連れて来ても良い?」と聞いてきた。
マシュマロちゃんは、僕と相談して答えると返事し、翌朝、
「彼が絶対に駄目と言ったから駄目だけど我慢してね。気持ちは分かるけど。」
と僕を悪者にして断った。
駄目に決まっている。
4ヶ月の子供を親に預けて来ると言うからOKしたのだ。
それを承知で、僅か一週間でそんなことを聞いてくるところが幼い証拠。
4か月の乳飲み子を抱えて野良仕事なんて出来るはずない。
今日になって、
「来月に三日間くらい帰っても良い? 子供の様子を見てワクチン打たせてから、必ず戻ってくるから。」
と聞いてきた。
「みんなそうやって約束しても帰って来ないんだ。旦那さんのお姉さん夫婦もそうだった。だから、悪いけど約束は信用出来ない。いちごの定植が終わってお店がオープン出来たら帰っても良いが、給料は戻って来てから払うことにする。」
そう言い聞かせたが、素直に理解したみたいだった。
ここに来る交通費と準備金3000バーツ、それに加えて月末迄の約一ヶ月分の食費3900バーツを払ってあげているのだが、数日前にそのお金でスマホを買ってしまったみたい。
やっぱり2年前の姉さん夫婦と同じレベルなんだ。
明日は10日間分の給料を支払う予定。