ワーカーが教えてくれたこと

亡くなったワーカーとは、僅か二週間しか一緒に仕事をしなかったが、彼は僕に便利な紐の結び方を教えてくれた。

2年前、僕は車の荷台に積んだ大きな物、長い物などをしっかり縛って固定するロープワークを見様見真似で身に着けた。

その時、元ホワイトカラーだった自分がブルーカラーとして一人前になった気がしてちょっと鼻が高かった。マシュマロちゃんからも、「あなたでも出来るようになったのね」と褒められたのか馬鹿にされたのか分からない言葉を頂いた。

その縛り方は、多くのブルーカラーが普通に使うやり方だが、亡くなったワーカーは、それとは別のもっと簡単で解きやすい縛り方をしていたので、教えて貰ったのだった。

彼は僕の手を取って優しく教えてくれた。

「この方法だと解くのが簡単でダマにならないので便利だよ。親父から教えて貰ったんだ。だけど、殆んどの人は知らないみたいだ。」

今日、それを思い出しながらやってみた。

確かに出来た。

その技術はしかと受け継いだぞ。

教えてくれた彼はもうこの世にいない。

後日談:

遺体と車、布団等の移送代として6000バーツを送った。大金を送るのはおかしいし、少な過ぎるのも変なので、その金額とした。なお、モン族は遺体を焼かずに土に埋める。

奥さんには一人子供がいるが、彼が亡くなった時、お腹の中にもう一人新しい命を宿していたそうだ。

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