悲報:元ワーカー亡くなる
今朝、5時にB型肝炎ウイルスによる劇症肝炎を患ったワーカーが亡くなったとの連絡を受けた。
入院して僅か11日。
カオヤイに来て一月余り。
先月半ばには、屋根に登って元気に働いてくれていたのに。
何という呆気無さだろう。彼の死は予期していたものの、ずっしりと重たい気持ちになってしまう。
実はその時、既に食後に嘔吐するという症状が出ていた。B型肝炎ウイルス保菌者だと知っていたら、もっと早く病院に連れて行ったのに。
ただ、一旦劇症化すると肝移植なしでの死亡率は高く、早く病院に行っても助かったかどうかは分からない。
驚いたのは、亡くなる数日前から、奥さんと子供は実家に帰ってしまっていたとのこと。
面倒見の良いモン族の妻にしては異常な行動に思えたが、どうやら実家の両親がから、夫に悪霊(ピー)が憑いたから、その災いが移る前に離れて帰って来いとの指示があったらしい。
悪霊なんて非科学的ながら、タイ人特にモン族は仏教よりも精霊を信じている。
要は、カオヤイ農園に悪霊が居て、そのせいで命を奪われたと言う訳だ。
両親からすれば、その悪霊が自分の子供や孫に付いたら困るので、何が何でも直ぐに帰って来いとなる。
夫の死に目には会えなかったが、危険な看病でウイルスに感染することからは遠ざかれたのかも知れない。
もっとも、今までの夫婦の営みで既に感染していた可能性もあるので、落ち着いたら病院で検査を受けるように伝えた。
不幸な死に方をすると、その人も悪霊になって彷徨うと信じられているので、新しい若きワーカーカップルには、亡くなったことは伏せておくことにした。
この自然豊かで長閑なカオヤイ農園に悪霊がいる気は全くしないが、僕が悪霊に憑かれているのだろうか。