いちご新品種育成状況
種からのいちご苗作成について、いろいろ試行錯誤して、少しずつ分かってきた。
以下に備忘録として、要点をまとめておく(多くの読者には役に立たないだろうから読み飛ばして下さい)。
発芽は、ココナッツ+ピートモス1:1に種子をばら撒きして、底面給水で半日陰が良い。約10日から2週間で発芽
この方法の欠点は、ピートモス表面に藻が生えること。恐らくピートモスに藻の胞子が眠っている為だろう。藻が生えると、藻の下が低酸素になり、藻の毒性で根の発育が阻害されるのが問題。
一方、スポンジ法+植物育成LEDの場合は、藻の発生はなく根も真っ直ぐ下によく伸びる。しかし、この為にセルトレーに移植する際に根が切れやすいという問題がある。
ココナッツ+ピートモス法の場合、移植前に培地にたっぷり給水させると、根切れなく抜ける。
何れも小さな本葉が出た段階でセルトレーに移植出来るが、出来るだけ大きく育ってから移植する方が定着率が高い。逆に、本葉が未だ展開してない状態では、半数以上が移植に失敗する。
セルトレー移植後数日は直射日光避け、清潔な水を底面給水により与えるのが良い。
定着したら、水切れに注意しつつ、積極的に直射日光に当てたほうが良い。但し、日光が非常に強い時間帯は半日陰に移動させる。底面給水の水に通常より2~3倍薄い液肥を混ぜ、朝夕2回給水する。
セルトレーに根鉢が出来てからココナッツポットに定植する。
三種の品種を試したが、発芽率には大きな差はなかった。但し、発芽までの時間は品種により異なる。どの品種も遅れて発芽してくる種が多いので、セルトレーへの移植は2回以上に分けて行う。
薄い抗カビ剤と殺虫剤は早めに散布した方が良い。
古いココナッツポットに定植する際は、培地をひっくり返して、雑草の種を底面に追いやるのが良い。
新しいココナッツ培地は良くない。トマト栽培後の培地はセンチュウ類が多く残っていると思われるが、いちごへの影響は殆ど無いように思われる。
以上、こんなところか。
以下に、代表的な写真を載せる。
① 品種96番
3月19日 96番 第二期
トレーにあげてから、平均で30%が枯れる。多分、病気。
多いトレーは50%枯れ、上手くいったトレーは90%元気。
3月27日 96番 第二期
このトレーは病死も少なく順調に育っている。ここ迄来れば、枯れる率も減る。もう直ぐ定植可。全部で350株位取れそう。ただ、まだ全然足りない。
3月30日 96番 第一期
ビニールポットに定植してから、大分成長した。しかし、急に枯れたのもある。結局、第一期は12株しか出来なかった。
培地は、トマト栽培済みの古い培地の方が、未使用のものより良さそう。
②中国産曲油草苺
3月27日 中国産曲油草苺ジャイアントストロベリー 第一期
葉の色、形が特徴的。バラツキが大きい。
3月30日 中国産曲油草苺ジャイアントストロベリー 第二期 全部で200株位。
③中国産四季草苺
3月30日 中国産四季草苺 第一期
密かに期待している中国産四季草苺だが、未だ試行して日が浅いので、これだけしかない。しかし、今日現在では一番苗の数が多い。一度に処理出来ないので、一週づつずらして作業している。
実はもう一つ、未だ蒔いてないいちごの品種がある。しかし、どうも欲しい性質ではない品種のようだし、4種は同時に管理仕切れないので、当面やらない。