運転免許証を更新して来た
2年前に取ったタイの自動車運転免許証の期限が近づいたので、更新に行って来た。
更新には、
①今まで使っていた免許証
②住所を証明する書類
③健康体であることを証明する書類(不要な場合あり)
④パスポート(とVisaと入国スタンプ)のコピー
⑤更新手数料
が必要な訳だが、外国人にとって住所を証明する書類というのが意外に難しい。本人名義の部屋の賃貸契約者があったとしても使えない。そんなものは幾らでも偽造出来て信用出来ないから。
以前イミグレで住所変更しようとした際、
本人名義の賃貸契約者、貸主のID、賃貸物件のタピアンバーン
の他に、貸主(タイ人)がイミグレに同行して、イミグレの目の前でこの外国人に部屋を貸してあることを陳述し、更に文書で間違いないという貸主の記述は必要と言われた。半日以上要す同行を依頼することなど遠慮深い僕には出来ず、結局住所変更自体を断念したことがある。
公共料金の請求書、領収書も、普通はオーナーの名前で来るので、外国人名義で来ることは滅多にない。僕は電気料金の請求先を貸主から借主の僕に変更するようPEA(地方電気供給公社)に申し出たが、名義変更は出来ないとのことだった。水道は、ウチの場合は簡易水道で近所のおばちゃんが現金を集めに来るだけだし、下水は地下に垂れ流し。ガスはプロパンで、その辺で小さなタンクを買ってくるタイプ。他に公共料金ってあったっけ?
結局、使えるのは、イミグレで発行してくれる住所証明か、大使館で発行してくれる在留証明書のみ(ワークパーミットがあれば、その職場の住所でも取れるので、在留証明は不要)。
前者は、僕は業者を使って90日レポートを出したので、バンコクのインタマラに住んでいることになっているし、長蛇のイミグレに行って申請し、数日後に再度受け取りに行かなければならないので、事実上使えない。
後者は、やはりバンコクかチェンマイの大使館に赴かなければならないが、前回大使館に在留届を出したのはノンタブリの住所で、その後引越しているので、どの道住所変更に行かなければならないと言う背景があった。
と言うことで、結局他の諸先輩達がそうしているように、素直に大使館に行くことにした。
日本大使館に行くなんて、バンコク在住者なら簡単なことだが、片田舎に住む田舎者には結構辛い。
計画では、朝7時半に家を出て車を飛ばしてバンコクに向かい、バンコク市内の渋滞を避けるため、チャトチャックの北の公園駐車場に10時半に着いて車を停め、そこからMRTでルンピニーの日本大使館に行き、11時前に在留証明を申請し、お昼前に証明書を受け取り、それからチャトチャックにMRTで戻って、チャトチャックの陸運局に午後一で並んで、その日のうちに運転免許証を受取るというものだった。
しかし、途中31号線の上にある高架高速道路を走っている所で、カーナビが道を間違えて(GPSは高低差の認識が苦手で上下複数の道路が有ると良く間違える)、それが元で僕は混乱し、曲がるべきインターを通り過ぎてしまった。その時から焦りまくって判断を誤り、更に道を間違えたもんだから、公園駐車場についたのは11時。急いでMRTに乗って、ルンピニー駅から走って大使館に入り、汗だくで何とか11時40分に申請出来た。在留証明書なんて直ぐに作れるので、お昼前にギリギリ受け取れるだろうと思ったけれど、
「では、午後2時に来てください。」と言われ愕然。
「それじゃ、午後3時までの免許証更新受付に間に合わないから、急いでやって貰えませんか?」と、役所に向かって無理なお願いをしてみたら、
「午前中に欲しければ、11時前に来てください。」と言われてしまった。
これでも最速で頑張って来たのに。焦ったのがいけなかった。なんか、これ言われたの二回目のような気がする。
お昼休みは働かなくて良いから、午後1時から働いて1時半に受取れるんじゃないかと思うのだが、午後の窓口は1時半からのオープンで、それから順番待ちとのこと。だから2時。
この時点で、当日の運転免許証更新は無理だろうと思った。しかし、頑張ればなんとかなるかも知れないので、ダメ元で挑戦してみることにした。また一日掛けてガソリン代高速代800バーツ払って出直して来るのは、とっても無駄で嫌だった。
お昼休みの時間を有効に使うため、モトサイでプルンチットに出て、BTSでナナの信用出来る薬局に行き、シアリスのジェネリックを四箱1300バーツで購入。(あのおばちゃん薬剤師、僕の顔覚えていた。)
昼飯の代わりに、アイリッシュパブで生ビールを一杯だけ飲んで、今度はタクシーで大使館に。
未だ1時半前でゲートは閉まっていたが、守衛に愛想良く話しかけて中に入れてもらった。
僕の時間は2時だが、1時30分に受取りの順番待ちのボタンを押したら、なんと嬉しいことに、1時45分に在留証明を受取ることが出来た。早目に来て良かった。
なお、手数料は650バーツ程度で、この証明を取るのが一番お金と時間が掛かった。
ところで、大使館ではビジネスビザやリタイアメントビザ等のノンイミグラントビザを持っている場合は、住所を証明する書類の提出が免除される(ビザには住所は書いてない)。申請者が書いた申請書に住所が間違っていようがデタラメだろうがそのまま登録され、在留証明書に記載される。つまり、本当にそこに住んでいるかどうかの証明にはならないのだけれど、大使館が出した証明書は信用出来ると言うことで、これが住所を証明する書類として使えると言う訳(こういうトリックは悪用される)。
在留証明書を持ってルンピニー公園まで早歩きし、MRTでチャトチャック迄行くと、2時25分。走って陸運局のビルディング4に到着。もう汗だく。
この時点で、タイの医師による健康証明書が必要かどうか不明だった。と言うのは、陸運局の場所により更新の際は不要、2回目の更新から不要の所もあるからだ。その為に用意してなかったが、チャトチャックの陸運局では常に必要とのことだった。役所の場所により必要書類が異なるというのはタイでは良くある話で、混乱の元。
これからクリニックに行くんじゃ、幾らいい加減で速攻の健康診断書でも3時の締切に間に合わないだろうから、やっぱり努力は無駄だったのか。悔しくて、受付のおばちゃんに、
「それじゃもう間に合わないよう。健康診断書なんか無くても良いでしょ! あそこ以外は元気ビンビンなんだから。」
と無理なことをぼやいたら、
「受付は3時半迄になったから、まだ間に合うわよ。モトサイの兄ちゃんに頼んで行っといで!」
「なに! 3時半!?」 それなら間に合う。ネットでは出て来なかったニュース。やっぱり諦めずに挑戦すれば運が向いてくるものだ。
モトサイ兄ちゃんは勝手知ったるで、裏道飛ばして薄汚い小さなクリニックに連れて行ってくれた。僕を降ろしても帰らず、終わるのを待って、また陸運局に連れて行くと言う。
クリニックでは、意外にも一応体重と身長と血圧を測った。赤と緑のマジックの色が分かるかも調べた。医師から、
「何処か悪い所はあるか?」
と聞かれ、「ないです」と答えたら、それで健康を証明する診断書が出来た。日本で受けた人間ドックの結果の方が遥かに健康状態を示せるのだが、事実よりも誰が証明するかの方が重要らしい。とにかく、外国のものは読めないし信用出来ないのだ(タイだけじゃなく、日本も同じです)。
所要時間8分、手数料100バーツ(80バーツから値上げされている)モトサイ80バーツ。
さて、診断書を持って、モトサイで陸運局に戻り、一階のコピーサービスでパスポートの必要なページを一枚1バーツで(安い!)コピーしてもらい、受付に駆け寄ると3時5分前だった。
「あら、速かったわね。やるじゃない!」と受付のおばちゃんから、お褒めの言葉を頂いた。
3階に登って、視力検査、動体視力、反射神経、色盲、視野検査などを適当に済ませた。
お昼も3時近くになると待ち行列はなくなり、検査員等職員はお菓子を食べながら寛いでいる。仕事も面倒くさそうで、検査も一回正解したらもうオーケー(本来は2回)。なので速い。奥行き認識テストでは、「違うわよ。揃ったときにボタン押すの。」と言われ、何度かやり直した。
「どうも揃ってないけど、まあ良いわ。次行って!」てな感じ。
検査後、写真を撮って、550バーツ(住所変更がなければ500)の手数料を払って、新しい運転免許証を受け取った。この時、3時55分。
あるはずのビデオ講習はなかった。
いやあ、頑張った甲斐あって一日で更新できた(バンコク人ならそれが普通だが)。
前回は2年の仮免許だったが、今回は5年の本免許。実際は、誕生日迄なので、僕の場合ほぼ6年間有効だ。これで国内線はパスポートなしで乗れるし、各所で外国人価格を払わなくて済む(カオヤイ国立公園では使えない)。
ひょっとして、これが最初で最後の免許更新かも知れない。
次は、死んでるか、日本に帰ってるかかなあ?
そう言えば、日本の免許証の書き換えは何時だったっけ!?