マシュマロいちご園の悲劇
先週、雨が二晩続いて降った。
一時は激しい雷雨になり、大粒の雨が土を跳ね返らせた。
次の日、マシュマロいちご園のいちごは全滅した。
土の中の病原菌がいちごを腐らせた。
赤いいちごを全部。
マシュマロちゃんが手塩にかけて育ててきたいちご。やっと沢山成って、これから稼ごうという矢先にまさかの全滅。
雨でいちごが傷むのは慣れていたものの、どうしてこんなに全部腐ってしまうのか。
「どうして? どうしてなの?」と叫んで、マシュマロちゃんは何度も畑で泣いた。
この被害はマシュマロいちご園だけではなく、ワンナムキアオの多くのいちご園がやられたが、マシュマロいちご園の被害が一番大きかった。
腐った大量のいちごを集めて、いちご園の外まで運んで捨てた。恐らくは数百キロにもなった。
さぞかし悲しくきつい作業だったことだろう。
でも、全滅と言っても、いちごの苗が枯れた訳じゃない。また雨さえ降らなければ、まだ白い小さないちごの何割かは助かるだろうし、まだまだこれから花が咲いて実もなるはずだ。
バレンタインデーの頃には、きっとあの美味しい完熟いちごで満たされるだろう。
きっと。
そうなって欲しい。