タイの生命保険に入る
日本では生命保険、医療保険に充分な程加入しているけれど、僕が住んでいるのはタイだから、タイでの生命保険、医療保険に入った方が良いだろうと常々思っていた。
お陰様で今のところ健康だが、突然の交通事故や農作業中の怪我、悪い虫に刺されるなど、いつ災難が降ってくるか分からない。その点は日本でも同じだけれど、日本と違うのは、保険がないと適切な治療が受けられない恐れが大ということ。
最近のニュース番組で、タイ人が日本旅行中に心臓発作を起こして救急搬送されて⇒原因の冠動脈バイパスオペ(数回)意識不明⇒心室頻拍⇒AED⇒母親の緊急来日⇒絶体絶命からの意識復活と映像が流れたそうで、この間のオペ代はどうするかについて、ドクターと上司が「費用を考えていては人命は救えない。兎に角究明を最優先で。費用の負担はその後に考えましょう」との会話があったそうだ。結果、そのタイ人は助かって今はチェンマイで元気に暮らしているが、医療費は何と1000万円に達し、どうするか困っているらしい。
タイではこのようなことは起こらない。
例えば、僕が交通事故で頭が割れて意識不明の状態で立派な病院に運ばれたとしても、財布に保険のカードとクレジットカードが入っていなければ、恐らく開頭手術は行われずに放って置かれる。心筋梗塞で緊急にバイパスが必要だったとしても同じ。別にタイに限ったことではないが、お金がなければ適切な医療は受けられない。意識がなければ、「俺は金があって、ちゃんと後で払うから、しっかり治療してくれ」とも言えずに死んでゆく羽目になる。
それは嫌だ。
せめて、やれば助かるはずと思う治療は受けたい。
それに、もし交通事故で死んでしまったら、日本の生命保険金はマシュマロちゃんには届かない。
重い病気や怪我で、彼女に治療費の為に辛い思いをさせるのも嫌だ。
一方、マシュマロちゃんはいつまた交通事故にあってもおかしくない様な運転をするし、僕と違ってちょっとしたことでも病院に行きたがる。
と言うわけで、この際、二人とも同じ保険に入ることにした。
基本の生命保険(死んだら30万バーツ)に6つの特約を付けて、保険料は二人合わせて年間約70000バーツ。一括払い。
貯蓄型は嫌いだし、年寄り向きじゃないので、全て掛け捨てタイプ。保険会社は東京海上。
ここ数年、僕は毒蜘蛛に刺されて病院に連れて行かれて痛み止めを貰ったのが一回あるのみ。薬局で自分で薬は良く買うが、費用としては年間数千円のオーダー。それに対して、保険料70000バーツは今どきの為替では24万円超だから、高い買い物だったかも知れない。
死んでも、たった30万バーツつまり100万円ちょっとというのも情けないが、特約で事故死の場合は100万バーツが追加される。人に殺された場合は50万バーツと下がる(のは何故だろう)。
医療保険の方は、
事故による怪我の治療費は1回あたり10万バーツ
どんな理由でも、入院すると、一日3000バーツ
治療費が28000バーツ
手術は70000バーツ
通院治療は7000バーツ
通院検査は5000バーツ
まで保険で支給される。
怪我や病気で働けないと、給与補償として一日2000バーツ
バンコク都心の一流私立病院で入院治療すると完全に足が出るが、ナコンラチャシマならどんな病院でも大方大丈夫そうだ。
病院での手続きは病院がするので、僕らは保険カードを預けるだけで良い。
僕とマシュマロちゃんとで、保険金額は同じだが、僕の方が保険料が倍くらい高い。歳を取っているから、一年以内に死ぬ確率が彼女の倍以上あるから。
因みに、この加入に際して、健康診断等は何も必要なかった。アンケート用紙に、高血圧、心臓病、糖尿病はなし、タバコは(数日前にやめたから)今は吸ってない、お酒は飲むが嗜む程度、とした。以上、虚位申告はなし。HIVの項目がなかったのは変だな。多分、保障対象外かな。
マシュマロちゃんがいなかったら、多分僕はタイで保険に入ることはなかっただろうと思う。彼女の為に入ったようなものだ。