住込み従業員の家の新築
住込み従業員は、遠慮もなく僕らの家でサバーイサバーイに暮らしている。ちょっとサバーイ過ぎる。
何しろ、食費ただ。だから、山ほど調理して残りを平気で捨てる。しかも、野菜なしで肉を毎回1キロも使う。部屋台も水道代も電気代もただ。だから、夜中中電気つけっぱなし。洗濯石鹸も必要量の3倍位使うし、僕らの洗濯の時間と競合しても遠慮もクソもない。扇風機は部屋に持ち込んで自分の物のように使っていて、あまりに不便なので自分で買うようにしつこく催促しても、一向に買う気配は無い。既に2台僕の扇風機壊したのに。
僕らがそれだけ住込み従業員を手厚く面倒を見ているのは、日頃の労働に対して感謝の気持ちを示しているつもりだった。
ところが、住み込み夫婦の方は、少しも感謝の気持ちを表現することなく、当たり前の顔して生活している。
日本人なら考えられないくらい、遠慮と感謝がなさ過ぎる。
お馬鹿で無教養な上に遠慮なしの態度にムカつくことが多くなってきた。
そんな時に、いちごが鳴り出して、朝方や夕暮れ時に、野鳥を追っ払う必要が出て来た。
農園に住んでもらえば、朝一で野鳥を追っ払えるし、防犯効果も絶大だ。
それで、農園で寝泊まりしてもらうのが良いか、今の家で寝泊まりして、朝方だけ早く鳥を追っ払いに行ってもらうのが良いか、どちらが良いかという議論が白熱した。
正直言って、家を汚すばかりのガキンチョや、文化が違い過ぎてお互い理解し合えない彼らとは、一つ同じ屋根の下で暮らすのは嫌になっていた。
しかし、冷蔵庫も洗濯機もガスも水道も使える今の生活は彼らにとって快適そのものの筈だから、あの何もない農園で寝泊まりするのは、さぞかし嫌だろうと思ったので、僕は早朝に鳥を追っ払いに行ってくれれば今の生活で良いと主張した。不便な生活に疲れて、辞めて帰ってもらったら困るからだ。
ところが、マシュマロちゃんは、彼らは農園で寝泊まりするべきと譲らない。その理由はよく分からないけれど、多分僕と同じく遠慮の欠片もない彼らに腹が立っているのだと思う。
彼らにしてみても、私生活と仕事を分けたいという気持ちがあったようだし、ガキンチョが犯す迷惑行為に恐縮していたのだろう。
激しい議論の末、彼等の選択で農園で寝泊まりしてもらう事になった。
農園は5ライ(8000平米)もあるけれど、意外と空いたスペースがないのと、水が無いところでは生きて行けないので、選べる場所はお店の隣しかなかった。
お店の隣のメリットは、
水がある。
冷蔵庫が近くて使える(あまり使って欲しくないが)。
防犯効果は抜群。
日の出から鳥を追っ払える。
デメリットは、
店の周りの雰囲気を損ねる。
洗濯物、ゴミ、調理品等で不潔になる。
洗濯機、水道、清潔なトイレ、シャワールームが使えなくなる。
などなど。
今まで賄い付きだった訳だから、1日150バーツの食費を上乗せすることにした。
こちらからの条件は、お店の周りを不潔にしないこと。
いちごを鳥から守ること。
の2点。
という訳で、今日からお店の隣に彼らの寝泊まりハウスを作り出した。
多分、明日完成し、明後日からそこに住んでもらうことになる。
ガスコンロとか、洗濯バケツとか、食器、包丁とか、どうするのか僕はもう知らん。
勝手にしやがれ。
蚊帳と電球だけは面倒見てやるから、扇風機くらい自分で買ってくれ。
洗濯洗剤や食器洗いスポンジ、生理ナプキンまでは、面倒みてやらない。
これで思う存分、喘ぎ声出してセックス出来るから良かったね。
こっちもガキンチョの夜泣きに起こされなくて済むから良い。