品質の悪いいちご
チェンマイ産のいちごは、山の上の仲買人からバンコクの卸に買われて運ばれてくるのだが、品質がまちまちで困る。
以前は深夜に旧バンコク市街にある150年の歴史を持つパクローン市場に行って、この目で確かめて買って来たので良かったのだが、今はある卸にラインで注文して、朝方カオヤイノウエンデリバリーしてもらっている。これはとても便利で、徹夜運転することもなく、夜ちゃんと眠れて有り難いばかりなのだが、問題点もある。
それはいちごの品質を確認出来ないこと。
注文してデリバリーしてもらったいちごは買うしかないが、時にひどいのがある。
今日は不幸にもそれに当たった。
7割が潰れて傷んでいるか、カビで腐かけている。
こちらは、まだ白いいちごばかり。
チェンマイから、山積みいちごをガタガタ運んで来るので、2割位は傷んでいても仕方が無い。
キロ幾らでミャンマー人に採らせているので、まだピンクにもなってないいちごが2割くらい交じるのも、腹は立つけどここではそんなもんだという常識にも慣れた。
しかし、今日は48キロ買って36キロ分が7割使えない状態だったので、マシュマロちゃんは怒って僕を責めた。
悪いのは、卸が品質を確認してない事と、天候と生産者。特に、生産者による差が大きい。僕を責めてくれても困っちゃう。
しかし、流石に僕の許容範囲外の品質だったので、写真を送ってクレームを入れ、36キロ分は半額以上払わない旨伝え、なんとか合意を得た。
ただ、問題はケチることではなくて、このような不幸な事態をどうしたら避けられるかだ。
そもそも、購入者が品質を確認する機会もなく、販売者の言うなり価格で買わされるという点がおかしい。さりとて、購入分より多く持って来て貰い、その中から良い物だけを買うというのは、デリバリーしてくれる卸としては受け入れ難い。何故なら、毎朝4時には完売させないといけないのに、カオヤイまで運んで来て売れなかった分はどうするのかと言う問題がある。そもそも卸の利益率は大きくなく、売れ残って廃棄するのは絶対に避けなければならない。さもないと、利益なんかすぐに吹っ飛んでしまう。
卸にとって、僕らが重要なお客さんならば、ちゃんと品質を確認して、良いものだけを持って来るようにするのが現実的かと思う。良くない生産者には、取引を止めてもらうか、チェンマイまで教育に行って貰う。僕らは泣き寝入りせずに、写真付きできちんと客観的なフィードバックをする。
半分以上売り物にならない場合、僕らは売らないで捨てるか、赤字覚悟で安く売るかの何方かしかない。いい加減な品質のものを、利益だけ考えて高く売ったら、その店から客が離れていくのは当たり前のことで、これはしてはいけない。
良い物を安く仕入れることは、その店の責任でもあるし、それができることが店の力量だろうから、僕らも文句を言ってるだけじゃ駄目で、よりベターな方法を探らないといけない。それが僕らの仕事の一つ。
いざとなれば、パクローン市場まで買い出しに行くしかないが、夜11時に出て、朝方6時に帰って来る生活をしたら、身が持たないので避けたい。
いちごのこと、従業員のこと、お金のこと、マシュマロちゃんのことなど、いろいろうざいことが多く、今日、僕は売り場に立たず、一人花といちごの世話をした。