HIV感染者の寿命

「HIVに感染した若者の平均余命が、非感染者とほぼ変わらない水準まで伸びていることが、英ブリストル大学の研究でこのほど明らかになった。」そうだ。

僕にとっては一際嬉しいニュースだ。

今から35年前、会社の上司に抗HIV薬の開発を進言して却下されたのを始まりに、最初に臨床試験に携わったのが世界で初めて承認された逆転写酵素阻害の抗HIV剤で、事業開発で退社前に最後にライセンスインしたのが、新世代の抗HIV薬だった。

私生活でも、タイでゴム製品無しでやることをモットーとしていたので、HIVは死活問題だった。モットーと言うのは正しくない。ゴム帽子付きの営みは、精神的にも肉体的にも許容出来ない悲しい障害があったのだった。

風邪薬は風邪を引いた時だけ飲めば良いが、HIVは今のところ生涯飲み続けなければならないので、風邪薬よりも副作用が少なくないといけない。これは簡単なことではない。

もう四半世紀前のことだが、携わった臨床試験は日本人でないと被験者になれなかったはずのプロトコールに、実際には多くのタイ人が組み入れられた。当時はタイ国内でも患者がどんどん死んでいった時代だった。職場があった筑波学園都市にはタイ人が多く住んでいて、海外赴任者も多かったので、茨城県は国内でも感染者最多地域だった。

タイに観光で来て、ラン島に連れて行って貰ったタイ女は、幼少の頃お母さんを亡くしたが、聞いてみると、お母さんは長いこと別棟に隔離され、滅多に会わせて貰えなかったらしい。

死因を聞いたら、

「子供だったから分からないけど、恥ずかしい病気で死んだと皆が言っていた。」と言っていた。

「エイズじゃないかなあ?」と言うと、

「今思えば、多分それだったと思う。」とその女は言った。

恥ずかしい病気になったのは、恥ずかしい仕事が原因だった筈なのに、娘まで同じ仕事をするようになったのは何故か良く分からなかった。

これに近い境遇の人には何人も会った。

こんな感じで、何故だか分からないけれど、HIVは僕の人生に関わり合いが多い。

僕が最後に携わった薬が、万が一、万事上手く進んで世に出るとしたら(あと5年以上先の話だが)、万が一世に出て、一定の人の命の時間を伸ばすのに貢献出来たのなら、三途の川も渡りやすいことだろう。

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コメント

Re: 強運

あの写真はsnowと言うとアプリの合成写真です。顔を黒人系に取り替えてます。トランプ氏の顔のあります。

強運

相当、運、悪運?が強かったみたいですね。

ところで、最後の写真はハムケンさん?

免疫グロブリン

'84年に香港へ赴任する際、肝炎予防として免疫グロブリンを注射しました。家族にも受けさせようと思い、当時薬品の卸をやっていた義父に頼んだところ、某製薬会社のプロパーと引き合わされ、彼からあまりお勧めしないと言われてやめました。はっきりとは言われなかったけど、血液製剤に問題あることは業界で常識だったのでしょうね。
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