100パーセント天然蜂蜜の真贋
天然はちみつとは何か? そもそもはちみつは天然に決まっている。
しかし、実際には4種類のはちみつがある。
1: 飼育用ミツバチを飼育して得るはちみつ。 これが一番多い。
2: 1のはちみつに砂糖等を加えたもの
3: 飼育していない野生のハチの巣から得たはちみつ これが所謂天然はちみつ。
4: 3に砂糖等を加えたもの
番外に、野生のハチの巣にミツバチのはちみつを漬けて3に見せかけたもの
がある。
これらの真贋判定は、諸説紛々としているが、実際にはかなり難しい。
いつもはちみつを食べている人はともかく、たまに少し摂取するだけの一般人には、味覚臭覚で判別するのはまず無理。
だから、偽物が横行している。
感性に依らない判別方法は
冷蔵して結晶が出るかどうか
冷やした時の粘度
マッチの頭に付けて火が着くかどうか
水中に垂らして暫く放置し、混ざるかどうか
などなど
しかし、どれも信用出来ない。
ルビーの真贋のように、信用するかどうかは、取引相手が信用できるかどうかだけ。
話が戻るが、カオヤイのいちご園に天然はちみつ業者が卸に来た。
自然のハチの巣と、自然のハチと幼虫が混じった巣がはちみつにまみれた状態で持って来て、これを目の前で濾過して薄く濁ったはちみつが穫る。
とてもはちみつらしい強い匂いがする。
この時点で、僕は天然はちみつだと信じた。多くの人は同様に信じ、その場で買ってゆく。
実際、濾過の実演をすると実に良く売れる。
しかし、何度か目で、天然かどうか疑いが出てきた。
ある日、あまりはちみつ臭がせず、少し焦げ臭い匂いのするはちみつが実演で採れた。粗糖を少し焦がしたような匂い。
訪れた観光客にはちみつの匂いを嗅がせるのだが、採取業者はその日実演で絞ったはちみつではなく、前日のはちみつを観光客に嗅がせた。
それを僕と歯ぬけ巨乳は観ていた。
どう考えても、怪しい。
そこで、インターネットで判別法を調べ、いろいろと試して見た。
信用できるポジティブコントロールもネガティブコントロールもないので、いろいろ試した結果は、「前回と今回で明らかに異なり、今回のものは特に疑いがある」だった。
翌日、そのはちみつ業者が来たとき、
「もう信用できないから買わない。昨日のは品質が悪い。本当に良い品質のはちみつが採れたときだけ持って来い。」
と言って追い返した。
その後、来る回数は減ったが、持って来るはちみつの香りは良くなった。しかし、自信を持って天然はちみつと言えるのかどうか、釈然としない。
疑わしい要素として、
毎回量が大体同じ
色が何時も同じ
はちみつの割に、巣の量が少ない
ひょっとすると、飼育はちみつを混ぜているのでは? という疑いが消せない。
実験室レベルの成分分析をしないと結論は出ないだろう。
疑いが晴れないのに、僕は
「カオヤイの山から採ってきた天然はちみつ100%だよー!」
と言って売っている。研究者時代には考えられない低たらく。
ある人が言うには、売っているはちみつの八割に砂糖水が20%添加されているそうだ。
それくらいだと、味覚臭覚や、簡単な定性試験では判別出来ないだろうと思う。
天然はちみつに見せかけた飼育はちみつの場合には、そもそも
飼育はちみつより天然はちみつの方が一体何が良いのか?
という点がよく分からない。