雨のち洪水
いちご苗の第一弾を植えてから一週間、ほぼ毎日雨、雨、雨。
定植後のしとしと雨はいちごの定着にはちょうど良いのだけれど、ちょっと降り過ぎた。お陰でカオヤイのいちご園は大洪水。
水が畝の高さつまりポットの下まで来てしまった。深いところの水深は40センチ。浅いとことでも15センチ。ポットの中も水が溜まり、重さでポットは倒れ、畝は沈んでしまった。
雨の間、除草も一回しか出来ず、一時は草だらけになってしまった。
それだけならまだ良い。
問題は、土がドロドロ。田んぼのようになって、歩くと20センチも埋まってしまい、まともに歩けない。長靴は抜けなくなるので用を足さない。
このままでは何の作業も出来ない。僕らのいちご園が音を立てて崩れてゆく。
カオヤイでは水不足ばかり心配して、洪水対策が全くされてなかった。
思えば、当初の草刈りのときに、ゾウの足跡が深さ40-50センチもあって、カチカチの土なのにどうしてこんなに深くめり込んだのか不思議だった。あの時、気付くべきだった。この土地は水を吸うとふにゃふにゃになるのだった。
いちご園にするより、田んぼに向いている。
呆然と立ちすくんでいても、雨は降り続く。もはや一刻の猶予もなく、とにかく排水路を作らなければならない。既にユンボやトラクターは入れる状態ではなく、人力に頼るしかなかった。
しかしいちご園の後方中程が一番低く、水をさらに後方に流すためには深くて長い排水路を造らなければならなかった。しかも、畝のために水が横に流れないので、何本も排水路を作る必要があった。
丸2日間、雨に濡れながら、裸足で泥の中を這い回り、必死で排水路を作った。怠け者で役立たずの僕も、この時ばかりは頑張りましたよ。
7割程排水が終わったところ。洪水時の写真は悲しすぎて写し忘れた。
まだまだ窪んだところには水が溜まっているが、これでも大半の水は除去出来た。これで晴れた日が一週間続けば、水は引くだろうと思う。但し、あと一ヶ月は雨期が続くので、晴れた日が一週間続くなんてことは望めないが。
年末には、カラカラ、カチカチの土地になっているはずだ。
こんなふうに迂回した排水路も造らなければならなかった。
場所によっては、こうして畝の前方から水を抜かないといけなかった。
既に田植え、もとい、いちごの定植が終わった前方半分からは、ほぼ9割方水が抜けた。
僅か一週間でオタマジャクシやトンボのヤゴがたくさん育っていて、自然の力強さを感じさせた。
もうオタマジャクシは個々には来させない。
水源のラムタコーンも増水。まだ氾濫までは猶予があるが、あと数時間豪雨が続くと氾濫するそうだ。その時どうなるかは神のみぞ知る。
にわか排水路ではあるが、また雨が降っても、今度は以前のような洪水にはならないはずだ。
排水路は始めに造らなければならなかった。僕の設計図には排水路があったが、諸々時間に追われて忘れてしまったのだった。