タラートタイで火事
ラングシットの修繕屋に行った帰り、タラートタイに行ってきた。
タラートタイに近づくと、大きな黒煙が上がっていた。
「あれは火事だなあ。燃えているのは草じゃないな。タイヤかプラスチックだな」
黒煙の上がる速度が速く、かなり高温になっているらしかった。
「あれ、今から行くタラートタイが燃えているんじゃない?」
「いや、その少し手前に見える。しかし近いな。」
国道1号線をUターンしてタラートタイに入ると、まさしく燃えているのはタラートタイだった。
「このまま進んで大丈夫かなあ。何が燃えているのか分からないからな。爆発でもしたらヤバイ。」
「でもみんな平気で買い物してるわよ。」
確かに誰も黒煙を気にしていない。煙は大きいし臭いので、気付いていないわけではないはずだ。
窓を開けて誘導員に何処が燃えているのか聞こうとしたら、止まらずに奥に速く進めという仕草で、一向に火事など気にしていない様子。
消防車もいないし、騒いでいる人もいない。
そこで僕たちは車を路上駐車させ、ピックアップトラックの荷台に被せるシートとそれを留めるMESHを買って車に戻った頃、やっとこさ消防車の音が聞こえてきた。
燃えているのはタラートに接したタウンハウスのようだった。
「あれ? 今頃消防車が来たよ。やっぱりヤバイ火事だったんだね。」
僕達が煙を見つけてから1時間が経っていた。
消防車は次々と来たが、買い物客の車が邪魔でなかなか火事現場に近づけない。
「今頃来ても、もう下火になってわね。もう誰か死んじゃったんじゃないの?遅すぎよね。今頃来ても役に立たないわ。」
「ああ、日本なら通報から30秒で消防車は発進して、5分で現場に来る。」