カンチャナブリ紀行:ヒンダット温泉
「ああ、いい湯だな」
お金はないけど時間はある。
僕の仕事はさっぱり不調で今週後半まで特に予定は無いし、来週は日本行きで忙しい。7月からは引越しや新いちご園準備で滅茶忙しいので、暇なのは今だけ。
時間はあるというのは幸せだ。
サラリーマン時代はお金はあっても時間がなかった(所詮サラリーマンなので、それおどお金があったわけではない。あくまでも今と比較しての話。)
節約のためには部屋にじっとしているのが一番いいが、時間があるのは今だけだから、この時間を楽しく有効に使わなければ人生がもったいない。
「そうだ、カンチャナブリにドライブにでも行こう。」
というわけで、週末に車で一泊二日のドライブ旅行に行って来た。 暇つぶしの小旅行だったので、あまり期待はしていなかったが、思いの外素敵な旅行になった。
1ヶ月ほど前、「そうだ、温泉に行こう!」と張り切ってペップリーまで出掛けたものの、結局湯船に入らず帰って来てしまったのが心残りだった。
カンチャナブリの観光スポットを探していると、外国人もたくさん来る(特にロシア人)温泉があった。
ヒンダット温泉という。
場所は、カンチャナブリ市内から国道323号線を2時間半ほど入ったところにある。
戦争中に旧日本軍が見つけたと言われている。こんな所まで来て、人力で鉄道を作ったり、温泉を掘り当てたりと、良くも悪くも当時の日本人の逞しさというか行動力が凄い。
温泉の入り口の出店。
出店では森のバナナが売られていた。
この桟橋の脇を進むと湯船がある。
温泉の入浴料は1人20バーツ。
以前は40バーツだったらしいが、僕らが行った時は2人で40バーツ。タイ人も外国人も同じ価格なところが嬉しい。
無料のシャワー室があり、そこで水着に着替えられる。
有料ロッカーもある。大きさにもよるが30バーツ程度。
マシュマロちゃんは温泉の入り方をビデオで勉強した。
「温泉は裸で入るんでしょう? タオルを頭の上に置くんでしょう? 入る前に身体を洗うんでしょう? 出たら、腰に手をあててコーヒー牛乳を飲むんでしょう?」
はい、よく出来ました。
ここは僧侶専用の湯船。
手前にあるのは子供用の湯船。水温は低く温水プールという感じ。
ここがメインの湯船。
タイでは水着か簡単な服装を着たまま入る。
背後の鉄柵で覆われた部分が源泉。
その手前は腰掛けられる段差があり、お湯の温度も一番高く、一番居心地がよい。
生い茂る木々からの木漏れ日を見ながら、「70年前、日本軍はどんな気持ちでこの温泉に入ったのだろう」と想像しながら温泉を満喫した。
「うぇー、温まったあ!」
お湯の温度は一番熱い湯船で40℃くらい。気温は30℃あるので、湯気は見えない。
湯船は深く、立ってお風呂に入る。どうしてこんなに深いのか? 日本人が作ったにしては変だ。
お湯は温めだが、全身がお湯に浸かるためか、身体の芯まで温まる。
1時間は入っていようと思っていたが、30分で「もう十分」という気分になった。
お湯の色は、少し濁った水色。
湯船の底は、岩と砂利。
一応、掛け流しの天然露天風呂。
水着は着けているが、混浴温泉。
匂いもない単純鉄泉。といっても温泉特有の藍藻類の匂いはする。
タイ人の次に多いのはロシア人。何故かロシア人がたくさん来る。
看板もロシア語あり。日本軍が作ったのに日本語はなし。多分日本人はあまり来ないのだろう。
鄙びた秘境温泉ではあるが、近くには多くの観光スポットがあるの大型観光バスで団体客も来るほど有名。
タイ人はあまり長く湯船には入らない。見ているとほぼ足湯状態。
多分熱いのだろう。
温まったら、隣の小川で身体を冷やす。
でも水が汚くて入る気しなかった。
お湯から上がり、シャワー室で着替えていると、汗が止めどもなく噴き出してくる。やっぱり温泉、芯まで温まった証拠だ。
温泉の少し上流の小川。自然たっぷりだが水は汚染されている。
というわけで、行程に時間を掛けた割には、一時間余りであっさり終了。
宿に行くには時間が早過ぎるので、もう少し奥地に足を伸ばすことにした。
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