カオヤイの干ばつ状況
今年のタイの干ばつは本当に深刻なんだな。
先日、カオヤイに新いちご園候補地を探しに行ったときに、カオヤイ国立公園内のキャンプ場で一夜を過ごした。その際に、カオヤイで一番有名な滝、Haew Suwat滝の様子を見に行って驚いた。
カオヤイに行ったら誰もがここで写真を撮る。この写真は2年前のもの。なんとなく今より若く見える。ということは、この2年でかなり老けたということか? 髪の毛が減ったような気が、、、
この滝の今の様子。
はい、ご覧のとおり、一滴の水も流れ落ちていません。
水がないから見えるのだが、滝の中腹の岩に大きな貫通穴が開いていた。
この滝に来たのは四度目だが、水がないのは初めて見た。
二年前の雨季の終わり頃には、この滝は下の写真のように豪快に水が落ちていた。
滝を下から見たところ。凄い音と水しぶき。この時は増水時の様子だが、それにしても上の写真と違いすぎる。
この滝を含めて、カオヤイに流れる川をラム・タ・クローンと呼ぶが、全体的に水は流れておらず、ところどころ水が溜まっている程度だった。
村人に聞いたが、ラム・タ・クローンが涸れるのは滅多にないことで、今年は特別だという。
何故、カオヤイ地区の水事情がそれほど気になるのかというと、そこで第二のいちご園をやりたいと思っているから。そして、いちご園には水がないといけない。いちごが成るのはタイの乾季に当たるので、雨は期待できない。水がなくなった時点でいちごは枯れてしまってアウト。
僕らの栽培法は、基本的に土を使わず、ビニールポットに保水性の高いヤシガラを使うので、それほど水を使うわけではないが、それでも仮に毎日ポットに1リットル注水するとして、それが3万ポットあったとすると、一日で30トンの水を使うことになる。なので、利用できる泉か、川か、大きな池が必要というわけだ。
ここがカオヤイの候補地。とても風光明媚で、平坦で、街道に面していて、観光客も多い絶好の場所だが、水が心配。
向こうの山の手前に、池とラム・タ・クローンがある。
まずは池の様子。
一応水は溜まっているが、水深は浅く、水は濁っている。無いよりマシだが、これでは基本使えない。水の濁り、糞の様子から、多分ゾウの水浴び場になっている。糞の様子から野生のゾウじゃないと思う。ゾウの権利のために使えないかもしれないが、一応この土地の所有者が池の持ち主でもある。
水面から2メートルほど上まで草木が生えてないので、通常はそこまで水があるものと思われる。向こう側の池には水がもう殆ど無い。1ヶ月前には少しだが水があったので、更に悪化したということ。
次に、ラム・タ・クローン。共用の沢のはず。いちご園候補地から300-400メートル離れているが、高低差は無い。
下が現在の様子。
ご覧のように水が一滴もない。
草も生えていて、長いこと水が流れていないらしい。
上流の滝から水が落ちていないのだから、流れていないのは当たり前かもしれない。
村人に聞くと、乾季には水は減るが、何ヶ月も涸れるのは今年が始めてということ。皆さん、とても困っている様子だった。
僕らも非常に困る。
上の池は頼りないので、このラム・タ・クローンの水が必要なのだが、これでは使いようがない。
もしも来年このように涸れたら、お陀仏だ。
もう一つ、空から見ると期待できる池がある。
この池は新いちご園候補地から一番近く、航空写真では深そうな池だったが、来てみると深そうではない。
水質もいまいち。
もっと大きな問題は、この池は消防局の敷地内にあること。
その日は休みの日だったが、何人か職員らしき若者が居たので聞いてみたら、誰もこの水を使っていないとのこと。消防にも使っていない。しかし、使っていいかどうかは、所長に聞かないと分からないとのこと。
公共の水なら、誰も使っていないとしても難しそうだ。
睡蓮が浅いことを物語っている。桟敷があるのは何故だろう?釣り堀だったのだろうか?
干ばつといっても、実はこの日の前日にスコールがあったらしい。
敷地内に水が溜まっていた。水はけが悪そう。干ばつどころか洪水を心配しないといけないかもしれない。
ワンピースとサンダルで来るバンコク人達にとっては、靴を泥だらけにしてまでいちごを採りたいとは思わない。水不足の心配より、排水の問題のほうが解決困難かもしれない。
帰り道、サラブリー辺りで夕立にあった。
もうすぐ乾季が終わる。
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