見知らぬ村で独り
高温、乾燥、ダニ、スリップスのため絶滅寸前の日本いちごを救うべく、僕たちは瀕死のいちご株を天空の村に運ぶことにした。
多分もうダメだし、病気や害虫を天空のいちご畑に持ち込むのは無謀な行為かも知れないが、ノンタブリで徹底的に消毒はして来た。
「日本のいちごなんて、実はちっとも大きくならないし、酸っぱくて甘くなくて、柔らかすぎてすぐ痛むし、栽培は難しくて病気でどんどん枯れちゃうし、良いとこなし!」
とマシュマロちゃんに言われ腹が立った。
確かに昨シーズンはそうだったので、無駄な努力は止めて、とっとと諦めた方が賢明かも知れないが、まだタイ式栽培法を何の工夫もせずに一回試して見ただけだし、日本のいちご自体が「実はちっとも大きくならないし、酸っぱくて甘くない」なんてことは断じてない。大喧嘩の末、有望な二品種だけ、山の上の畑で子株を作ってもらい、来期も試して見ることに合意した。
子株は妹さん夫婦が作ってくれることになった。
しかし、天空の村に僕が入るのは、人目が憚れるので、僕だけ一歩手前の村で置き去りの刑となった。
僕が今居るのはここ。
昔、NHKで見た竹筏流しの村を通って、一泊500バーツのホームステイで一人一夜を明かす。
と言っても、結構綺麗で下手なリゾートよりいい。エアコンだって温水器だってWifiだってある。
食事は付かないが、頼んで作ってもらった。バナナも頂いた。ビールもあって、言うことなし。
歩いて3分のすぐ近くに、エレファントファームがあった。
この宿の庭にもゾウの糞がある。
夜中にゾウが大きな声で泣いた。
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