カセサート大学フェアー:いちごのたたき売り
先月29日から今月6日まで、僕とマシュマロちゃんはカセサート大学フェアーにブースを構えて、いちごやいちご製品を売った。
初日は全然売れず、最初の土日にやっと2万バーツほど売れただけだった。
「もうやめて、ワンナムキアオに帰りたい」と泣きべそをかいてしまうような状況だったが、「やれるだけやってみよう」と言い合って頑張った。
売れない理由は、とても真似できない破格の値段で安売りする競合者がたくさん居たことと、バンコク市内の主婦はいちごの相場をよく知っていて、それに対して僕らの価格が高過ぎたからだ。
フェアーの後半、少し薄利多売戦略に軌道修正した結果、最終日には一日の売上が5万バーツを超えた。
全9日間での売上は、目標には少し届かなかったが、なんとか10万バーツ以上の利益を出すことが出来た。
僕達のブースはこんな感じだった。机と椅子と靴たては僕のオフィスから持ち出し、その他はマシュマロいちご園から持ってきた。人件費もタダなので、経費は最小限で済んだ。
マシュマロいちご園では素っぴんで薄汚い格好の彼女も、何故かこのイベントでは少しお化粧をした。
プーはいつもの様に邪魔しに来た。こちらがお客さん対応で忙しいのに、構わず余計なことをベラベラ喋りまくって、最後にちゃっかりいちごを2パック持って帰った。
マシュマロちゃんと僕は、ふたりとも連日4時間未満の睡眠しか取れず、脳みそが疲れたが、精一杯頑張った。
8~9時に終わって片付けて家に帰ると10時過ぎ。それから食事を摂って翌日売るいちごを仕入れに出掛け、戻ってくるのは夜中の3時過ぎ。
睡眠不足と肉体疲労で、二人ともくたくたになった。
おまけに、僕は3日目に食中りになり、激しい下痢と腹痛に襲われた。朝から昼までに10回以上トイレに駆け込まなくてはならず、吐き気で何も食べられなかった。発熱もあって、とても辛かった。
下痢止めと抗生剤のお陰で熱は翌日には下がったが、その次の日に口唇ヘルペスが出てしまった。疲れたり病気になって免疫力が落ちると、いつも口唇ヘルペスが出てくる。
昔、観光客時代にバンコクで一週間シアリス飲んで夜遊びまくって疲れ果て、帰国した頃丁度ヘルペスが出たので、会社の同僚に「悪い女にヘルペスを伝染されてきたんだろう」と思われ恥ずかしかった。(悪い女というのは当たっている)
口唇ヘルペスがあっては、気持ち悪くていちごは売れないので、ヘルペスらしき症状が出てきたときから、すぐにアシクロビルという薬をしっかり飲んた結果、かなり軽症で済んだ。アシクロビルはタイの薬局で簡単に安価で買えるので買い置きしておくといい。
マシュマロちゃんと売り方に関する意見の違いや、お客さんの値切り攻勢、通じないタイ語、その他もろもろのストレスで会期中はフラストレーションが溜まり、精神的にも辛い9日間ではあったが、最後には一生懸命やり遂げたという爽快感が残った。
「こんなことをしていて意味があるのか?」という疑問が常に頭を過ぎったが、先のことはあまり考えず、目の前のやらなきゃいけないことにだけ集中するのも時には必要だし、そもそも人生なんてそんな風に過ぎてゆくものだという気もする。
マシュマロちゃんは「手伝ってくれてありがとう」と何度も僕に言ったが、僕には「手伝った」という感覚はない。むしろ一緒に二人の事業をやったという感じだ。マシュマロいちご園の方は妹さん夫婦がマネージしてくれていたので、彼女の手元に残るお金が10万バーツちょっとながら増えたことが何より嬉しい。
ありがたいことに、小学校一年生の時から9年間も寄宿舎で一緒に過ごしたというマシュマロちゃんの親友が、夕方仕事が終わってから手伝いに来てくれた。こちらから手伝いを頼んだわけではない。このイベントをFacebookで知って、「手伝いたい」と言って自ら来てくれた。最終日の土曜日には、子供を預けて朝から一日手伝ってくれた。
彼女は、つい最近旦那に逃げられ、幼い子供とカセサート大学の近くに住んでいたのだった。チェンライのアカ族の娘だ。彼女の威力は絶大で、最終日にブースに立った時は11時間一時も休まず客寄せの甲高い声を張り上げてくれた。やけに明るく、身のこなしが軽い人だった。最終日は、僕は疲れて役立たずだったし、マシュマロちゃんはいちごのパッキングをずっとしていたので、彼女が独りで売ったと言っても過言ではない。
最後に全部売り終えた時、「あー楽しかった!」と言うので驚いた。
僕のことを「お父さん」と呼ぶ点だけが唯一気に入らなかった。(年齢的には、お父さんで正しい)
最終日の夜には、マシュマロちゃんの大学時代の友人も二人来てくれて、片付けを手伝ってくれた。
女なのに、ピックアップカーの荷台に飛び乗り、思い荷物もテキパキ運んでくれたので、2時間かかると思っていた片付けが30分で済んでしまった。
タイ人の友情を感じた。
このイベントで僕として一番嬉しかったのは、このブログを見て、ブログ読者が5人も来てくれたことだ。そのうち2人は初対面だった。
「何時か会いたいと思っていたところ、ちょうどこのイベントがあったので来てみた」とのこと。
非常に真面目そうな方達で、僕のブログには似合わない感じがした。
また、初対面ではないが滅多に会わない友人やいつもよく合う友人も来てくれて、いちごを買って応援してくれた。
バーチャルなブログを通して、こうしてリアルな人間関係が出来るのは、本当にありがたいことだ。
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