掘っ立て小屋の作り方

マシュマロちゃんが、いちご園に家を立てて欲しいといった。家と言っても、住む家じゃなくてショップにする家。

ツーバイフォー2x4なら覚えがある僕は、「よし、分かった!」と安請け合いしたものの、タイのホームセンターに2x4材なんて売ってない。インパクトドライバーなんて高くて買えない。

彼女に予算を聞いてみると、5000Bという。これで即死。

タイで仕事をしていても、驚くべきことが沢山あるが、いちご園でもたくさんある。

以下、ショップにする掘っ建て小屋の作り方を簡単に解説。

まず、材料は丸太。それも真っ直ぐじゃない。それも買ったものではない。それも乾燥していない。

近所のユーカリ畑の持ち主と掛けあって、間伐を伐採する。その代わり、間伐を一本50Bで譲り受ける。

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これがそのユーカリ林。

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水分をたっぷり吸ったユーカリの木は非常に重い。

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木のカットにノコギリは使わない。なたで断ち切る。このなたは手作りで非常に固くよく切れる。

次に基礎。基礎はない。土に穴を掘って、そこに採ってきたユーカリ材を直接ぶち刺す。木がまだ生きているから、一週間もすると幹から新芽が沢山出てくる。これホントびっくり。しかし、根が出て、そこに木が再生するということは流石にない。土の中の木は腐りやすいが、見ていると2年は問題なく建っている。

丸太同士の接合は、太い釘数本のみ。ホゾを切って差し込む等の高尚なことは何もない。重量がかかる場所には、縦に半分に割った短い木を釘で打ち付けて、その上に横木をかけるようにする。

なお、木のサイズは測定しない。現場で目でみて適当に切断する。

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彼らの生活は重労働で大変だが、毎日が変化に飛んでいて、なんだか楽しそうでもある。

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屋根は、草の屋根。これが一番安くて軽い。1メートル幅くらいで10B。

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こちらは家の裏面。

い草屋根のこの密度の張りだと、大雨が降ると雨漏りするが、普通の雨ならこれで大丈夫。1年は軽く持つ。軽いので家の構造が適当でもいい。それと、涼しい。

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こちらが正面。

「寄せ屋根は、構造が複雑だし、屋根の継ぎ目から雨漏りするからダメだ。」と言ったのに、お兄さんと相談したら、「出来る」ということなので、こうなっている。

この家のサイズは、6x9m。

真ん中の屋根の下には、時計を設置する。その時計は今日チャトチャック・マーケットに行って買ってきた。

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直径50センチ位。駆動部が防水じゃないけど、パネルはブリキ製。駆動部だけ防水措置すれば使えると見た。予算は500Bだったが、1000Bになってしまった。他に選択肢がなかった。

あと二週間で、この家に看板やテーブルを設置し、商品を並べ、商売を始めなければいけない。

大変だが、やることがわかっているというのは楽だ。何をしたらいいのかわからないというのが一番まずい。

いちご園でのやることは多岐にわたり、お金のない中でそれぞれ工夫をし、自分の裁量や腕前でもって、一歩一歩自分達だけのものを築き上げてゆく。そのやり方が正しいのかどうかなんて、やってる本人にも誰にもわからないが、その時点で出来ることを精一杯やる。

彼らの生活は、思った以上に人間的でクリエイティブだ。

開店に向けて、来週後半から2週間ほどいちご園で寝泊まりして、看板と花の準備を手伝うことにした。

それが今僕に出来る事だから。

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Comments

東屋がスタンダード

>彼らの生活は、思った以上に人間的でクリエイティブだ。

単に原始的なだけだと思いますけど・・・
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サラリーマンはもう飽きた。気がつけば人生の残りも僅か。ここはひとつ、窮屈な日本を抜け出し、活力あるのにどこかゆる~いタイを舞台に、自分らしい第二の人生に旅立つことを決めてしまった50代親父。

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