ワイン三昧

ファーストライフ現役時代の後半は、事業開発部門にいたものだから、接待を受けたり授けたりが仕事みたいなところがあって、そのために上等なお酒やワインに接する機会が多かった。

特に海外出張の時などは、自腹じゃ飲めない高級ワインを結構飲めた。何度も接待し合った相手だと、双方とも地で楽しめて、そんなときはワインの味も堪能出来るのだが、普段はこれからお知り合いになろうとする得体の知れない相手だから、金額の割には美味しかったという実感がなかった。

そんな訳で、僕は銘柄付きのフルボディをネクタイ締めて畏まって飲むよりも、超安い若くてフルーティーなワインを自宅でがぶ飲みするのが好きだった。熟成してない若くて甘い処女のようなワインに氷を入れて、ビールのようにがぶ飲みすれば、心は落ち着いた。

酒のお相手はテレビのニュースと新聞で、サラダを摘みながら、ガブガブ呑んでいた。

その頃は、妻はもうとっくに僕のお酒に付き合う気はなく、僕も会社の泥臭い話を家の食卓にまで持ち込みたくなかったこともあって、ニュースが一番いい飲み相手だった。

ビールも好きで、友人とは外でビールを飲むのが多かったが、飲んだジョッキの数だけ夜中にトイレに行かないといけなかったので、家での晩酌は日本酒かワインだった。

日本酒も高いものは確かに美味いが、経済的制約から、僕は好んで安い合成酒呑んだ。醸造アルコールに糖分やアミノ酸を加えたもので、悪酔いの原因となるエステル等が含まれていないので、飲み過ぎた思っても悪酔いや二日酔いにはならない(なりにくい)。この合成日本酒に、レモンを絞って入れたら、もはや日本酒の形跡は跡形もなく消え去り、最高のレモンハイになるって、知ってた?

しかし、タイでは、そんな淡い楽しみもなかなか出来ないでいた。何しろ、ワインも日本酒も金玉もとい目の球飛び出るくらいに高いのだ。

ところが、数ヶ月前に、タイでも意外に安い輸入ワインが買えることが分かった。2リットルの特大ガラス瓶で、Macroで330~450バーツで売っている。なんだ日本と同じじゃないかと眼からウロコ。

チリ、イタリア、オーストラリア、南アフリカ産が中心。アルコール度数は12%前後しかないが、騙されたと思って飲んでみたら、かつてがぶ飲みしたワインと同じ味で、悦んで飲めた。

左から、オーストラリア産、イタリア産、日本産。

日本酒やワインだと、摘みなしでも飲めるので、特にベッドサイドで便利。

タイでは、もうすぐ酒税が大幅に上がるが、そしたら次は何を飲めばいいのだろう。

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サラリーマンはもう飽きた。気がつけば人生の残りも僅か。ここはひとつ、窮屈な日本を抜け出し、活力あるのにどこかゆる~いタイを舞台に、自分らしい第二の人生に旅立つことを決めてしまった50代親父。

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