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犬の不穏

日本に置いてきて、今は妻が世話しているラブラドールレトリバーの愛犬は、今年17歳になった。去年帰った時は、ゆっくりなら歩けたのに、去年の秋から歩けず、オムツになり、一日中玄関で寝ている。

妻は、自分が鬱で落ち込んでいた時に、この犬に随分慰められたので、「私が最後まで面倒を見る」と言って、甲斐甲斐しく介護している。

もう耳は聴こえず、目も近くの物がうっすらとしか見えず、認知症も進んで、時々不安になってジタバタするらしく、壁にぶつかるとガリガリし、爪が擦り切れて、肉球が割れて、おでこをぶつけて切って、血だらけになった。

妻は人間の介護のプロだが、褥瘡出来ないようにしたり、傷の手当てしたり、鼠蹊部がオムツで擦れたり、なかなか大変なようだ。

愛犬の様子が悪いと、予約していたオペラに行くのも取り止めにする程可愛がっている。

こんなになっても、歯や内臓は丈夫らしく、食欲もあって、なかなか死にそうにない。

大型犬の17歳といったら相当な歳で、この先良くなる見込みはないし、多分生きていても辛いだけだろうから、獣医に安楽死させて貰ったらと提案したが、妻はその気はないようだった。

この愛犬と同じ歳の我が家には、主人も子供たちも出て行って、妻と犬だけが住んでいる。

僕のファーストライフでは一世一代の買い物だった家。幸せになる為に、家を建てて引っ越して来たのに、家族が揃って過ごしたのは10年に満たなかった。あと数年したら、残るのはローンだけになるかも。

誰も居なくなったら、帰ろうかな。

竹狩り

いちご園を準備するのに、竹を大量に使う。

使うのは、太さ7ミリくらい長さ25センチ位の竹串で、マルチシートやポリエチレン管を地面に固定するのに使う。

これを用意するのに孟宗竹で20~30本位使う。

材木屋に竹は売っているが、太さが足りず使えないので、竹藪から採ってくる。

10本分位は、カオヤイ農園前の誰も住んでいない朽ちた住居の敷地から、茂り過ぎている竹を失敬して来て使ったが、勝手に人の敷地のものを採ってくるのは、もし所有者が怒れば犯罪になるので、今日は去年安価で竹を切らせて貰った川べりの農園に行って、長くて太い竹を6本伐採してきた。

タイの竹は、どの種類も日本と違って密集して生え、株から離れたところに筍はでないものばかりなようだ。だから株の地面近くは竹が密集して近付けない。

およそ高さ3メートルまでは密集地帯で切れない。

仕方なく切り株に登って地上4メートル位の所を切るのだが、密集して枝が絡み合っているので、切ってもすんなりと倒れてこない。

昨日から働き出した2軒隣に住むカップルの旦那は従順で良く働く。

竹が倒れないので、こんなに高いところまで登って枝を払い、竹を落としてくれた。指示した訳ではない。竹を落とすために自ら登っていった。サルみたいだ。

落ちて怪我したら困る。もの凄く危ない気がしてハラハラした。

下の男は、言われたことしかしない。言わなければ何もしない。こういう人は要らない。目的が分かったら、いろいろ工夫して目的を達成させる上の男のような助手が欲しい。

この辺りのラムタコーンは深くて穏やかな流れだ。幾つかの泉があるので、僕のいちご園の近くのラムタコーンと違って、涸れることはなく、魚もたくさん住んでいる。

ここの農地では、安い飼料用トウモロコシを作っている。種撒いて水やって、あとは収穫するだけ。

良い気候と豊かな水と広い農地があって、億ションに住む誰かさんよりも豊かな生活なように思えた。

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Author:ハムケン
サラリーマンはもう飽きた。気がつけば人生の残りも僅か。ここはひとつ、窮屈な日本を抜け出し、活力あるのにどこかゆる~いタイを舞台に、自分らしい第二の人生に旅立つことを決めてしまった50代親父。

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