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妹さん夫婦がやって来た

マシュマロちゃんの妹さん夫婦が、今季のいちご園を始めるために天空の村からやって来た。

今度は僕らのお手伝いではなくて、以前紹介した素晴らしく開けた土地で、彼女のたちのいちご園を創る。

強力なるライバルの登場だ。

彼女達には寝る家が無い。だから、先ず初めにやったことは家を建てること。その為の竹の床と壁を天空の村から山ほど持ってきた。

去年乳飲み子だった娘は、今でもまだおっぱいを飲んでいるが、起きている時間が長くなり、一人で歩けるようにもなった。だから、お母さんは目が離せない。去年のように寝かせて畑仕事は出来ない。

そこで旦那のお兄さんを連れてきた。正解だ。これでマシュマロちゃんも安心できる。

旦那と兄さんとで、2日で家を建ててしまった。

掘っ立て小屋だが、これでも実のところ天空の村の彼女ら夫婦の部屋よりきれいで住み心地が良さそう。

去年、お客さん用に竹で作ってもらったテーブルを食卓に使うからとマシュマロいちご園から持ち出していた。

まだ電気も水もない。

電気はこれから引く。

水道水は引きようがないので、池からポンプで引いた水を使う。去年と同じ。

きれいな水がないのは僕は耐えられないが、彼らは辛そうではない。

何時も笑っていて、元気に働いている。

遅れてきた親戚夫婦

今年、僕達のいちご園を手伝ってくれる予定だった親戚は、8月6日にマシュマロちゃんが連れて帰ってくるはずだったが、マシュマロちゃんは母と二人でここに来て、彼らは一緒に来なかった。

「7日の国民投票に出てからバスで来る」と言うのが理由だった。

「なんだ、意外と真面目なんだな。」と僕は思った。

しかし、投票も終わり9日になっても来なかった。どうも来たくなくなったらしい。

「どうして来てくれないの? 手伝ってくれる約束だったから、代わりの人を探さないで待っていたのに。」

マシュマロちゃんはお母さんに詰め寄った。

「来てもらう準備のために10,000バーツも払ってあるのよ。6日にはお金がないって言うから、5,000バーツをまた置いてきたでしょう。そのお金はどうなっちゃうの? この家だって、彼らのために部屋が多い家を借りたのよ。家賃だって9,000バーツもするのよ。私達だけだったら2,500バーツだって良かったのに。」

お母さんは自分に聞かれても困るとしか返事しなかった。あまり、そのことについて話したがらなかった。

「枕も2つ買ったし、タオルだって買ってあるのよ。お釜も4人分炊けるように大きいのを買ったのよ。部屋も掃除して待っていたのに。今頃急に来ないなんて困るわ。来るって約束だったでしょう? どうして約束を守らないの? 約束は守ってくれなきゃ困るでしょう? あの人は畑仕事全然出来ないし、私達だけじゃあ、いちご園は出来ないわ。どうすればいいの?」

母に訴えながら、彼女は大泣きになってしまった。お母さんはあまり話さず、少し知らん振りで黙っていた。

一通り泣き終わって、彼女は僕に言った。

「来ないみたい。来たくないみたい。私達、お母さんも知らなかったんだけど、どうもドラッグやっていて止められないみたい。」

この話はショックだった。

「ドラッグ? なんていうドラッグだ?」

「それは知らないわ」

「それで一年も仕事せずにブラブラしていたんだな。どんなドラッグかわからないが、みんな止めたくても止められないんだ。ここに来てもきっと止められない。そんな状態で畑仕事が出来るのか? ドラッグ欲しさに僕達のお金をくすめるのは陽の目を見るより明らかだ。それに、ここで警察沙汰になったら僕が困る。今まで何にも説明や謝りの言葉もなく、一方的に約束を破ったんだろう。僕はそういうタイ人は大嫌いだ。そんな人なら、ドラッグがなくてもこちらからお断りだ。ここより先に病院に行くべきだ。そういう人達とは一緒には働けない。もう来るなと伝えろ。彼らは要らない。別の人をここで探したほうがいい。」と言い放した。

英断だったと思う。親戚に対して言い難いことでも、僕がダメだと言っているという理由で断りやすくなっただろうと思った。

その後、妹から電話があり、お母さんは妹に状況を説明しながら、段々と大泣きになった。さっきは娘に攻められながらも、どうすることも出来ず、必死でこらえていたのだろう。それが吹き出してしまった。

「娘が大泣きした。あんなに娘が泣いたのは見たことがなかった。だけどお母さん、どうすることも出来ない。娘が可愛そうで仕方がなかった。」

モン語なので実のところ全く言葉はわからないが、お母さんがしゃくりあげながら話した内容は、多分上のようなものだったと思う。モン族も日本人も同じような感情を持つんだなあと思った。

夜になって、

「もう一度だけ、親戚夫婦にチャンスを上げてもいい?」とマシュマロちゃんは聞いてきた。

僕はダメだと答えたが、僕達2人ではいちご園は回せないという彼女の押しに負けて、

「2週間だけ試験的に様子を見て、ダメだったら即帰ってもらうという条件なら考える。」と言ってしまった。

それから数日後、日雇い労働者と畑仕事をしていると、マシュマロちゃんが急に僕を呼び出して、今から親戚を迎えにパクチョンに行くという。

来てしまったようだ。来てしまったものを追い返すわけにも行かず、取り敢えず迎えに行った。

約束の期日より数日遅れただけなので、タイ人としてはほぼ約束を守って来たということになるのか。

来てから3週間になるが、ドラッグの気配は全く無い。

仕事は非常によくやってくれている。言われたことだけやるのではなくて、自分たちのいちご園として積極的に働いている。

僕は野良仕事や力仕事は出来ないのに対して、彼らは進んでそれをやってくれる。僕には、「力仕事は全部やるから監督していてくれればいい。」と言って、僕の分もどんどんやってくれる。

色々工夫しながら足りないものを、山の上の知恵と経験で補ってくれている。

2つのいちご園を準備中だが、彼らがいなかったらきっと既に頓挫していたことだろう。

朝5時半に起きて、夜7時まで働く。

日雇い労働者の尻を叩いて働かせている。

約束通り、部屋とまかないは付けているが、まだ給料は上げてない。

給料は売上が上がってからの後払い。もちろん、前払いした分は差し引いて払う。

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プロフィール

ハムケン

Author:ハムケン
サラリーマンはもう飽きた。気がつけば人生の残りも僅か。ここはひとつ、窮屈な日本を抜け出し、活力あるのにどこかゆる~いタイを舞台に、自分らしい第二の人生に旅立つことを決めてしまった親父。
タイに来て早10年。挑戦と冒険の心を忘れずに、異国でセカンドライフを謳歌している60代のオヤジです。

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