ヘルメットとマスク

朝夕は、モトサイが増える。職場との行き帰りや買い物等でモトサイを使うからだ。

モトサイと言っても、バイクタクシーのことじゃなくて、自家用オートバイの事だ。

その時間帯のモトサイの8割が二人乗りかそれ以上(4人乗り、5人乗りもある)。

そして、ヘルメット着用率は限りなくゼロに近い。多目に見繕っても5%には遠く及ばない。ざっくり言えば、ヘルメットを被っている人など滅多に見ない。

暑いせいもあるだろうが、ヘルメットなんか絶対に嫌だという感じ。例えば、ワーカーにヘルメットを買ってあげても絶対にしない。

警察もヘルメットなんか取り締まらない(パクチョンの街中では時々取り締まっている)。

ここまでは新しくも面白くもない話だが、驚くべきことに、モトサイの乗っている人の100%がマスクを着用しているのだ。大袈裟じゃなくて本当に100%。

田舎道だし、屋外だし、バイクの走る風でウイルスなんて直ぐに何処かに飛んで行ってしまうのにも拘らず。

交通事故で頭が割れることよりコロナの伝染る方が怖いのか?

タイ人の価値観はいったいどうなってるんだ?

どう考えてもバランスが悪い。

そんなだから、僕らのフラワーパークの花畑の中でも、皆マスクをしたままだ。綺麗な自分の写真を撮りたい人だけは、撮影中のみマスクを外すけど。

それに加え、タイ人は滅多に手を洗わない。手が泥で汚れた時に水で洗い流すだけだ。

ウイルスや菌を洗い流すことを目的として、石鹸でしっかり泡立てて手を洗うという習慣はない。少なくとも田舎では。

そのくせ、70%アルコールでを吹き付けて消毒することは大好きで、手だけじゃなくて、人の触れる場所にはせっせと吹き付ける(吹き付けるだけで拭いたりはしない)。

お札や帽子や靴にもしっかり掛ける。

日本人の僕には実に良く分からない。

布団や枕も、何ヶ月も陽に干しさなくても平気のくせに。

習慣が違うというより、馬鹿なんじゃないかと思うこの頃であった。

鼻差込みヤードム

スースーと強いメンソールの匂いがするヤードムを吸うのが、タイ人は大好きだ。

鼻詰まり解消や眠気覚ましに効果があるらしい。

あれはくせになるらしく、良く使う人は一日の中で頻繁に使う。

そのうちに、効き目が足りなくなってきて、若い美人ですら、ヤードムを直接鼻に挿して使っていることがある。

それを見ると美人ほど笑える。ババアだと笑えない。

最近、僕は寝る前に鼻が詰まることが増えて、良くヤードムを挿すようになった。

ジジイなので勿論笑えないが、タイ人の気持ちが分かったという証拠である。

事故とタンブン

昨日、手術を終えて退院したその足で、ワンナムキアオの偉い坊様のいるお寺にタンブンに行った。

タンブンとはお寺や御坊様にお供えをすること。

頭の怪我も肩の怪我も、思ったより早く良くなったのは仏様のお陰だから、お礼にたっぷりタンブンしておかなければいけない、と考えるのはタイ人としてはごく普通であって、それを怠ったなら、その人は不届き者の極致で、きっと将来酷い目に会うと考えるらしい。

実際僕は事故後に何人ものタイ人から、「治ったのは仏様のお陰だからしっかりタンブンしておきなさい」と言われた。

しかし、お寺の孫として産まれ、どちらかと言えば仏教徒な僕でも、そのようには考えない。考えられない。

それでは、不届きが運転するバイクに衝突されたのは仏様のお陰なのか?と思ってしまう。

早く治って来たのは、運が良くてそれ程重症ではなかったか、現代医学と医者のお陰であって、仏様のお陰とは思えない。

ましてや、会ったこともない御坊様のお陰じゃあないだろう。

「早く良くならせてくれてありがとう」と御礼を言う気持ちは分かるし敢えて反対しないが、タンブンに10,000バーツも出すのは正直勿体無いから止めて欲しいと思った。お金がたっぷりあるならいざ知らず、治療費として借りた借金もまだ返せてないのだから頭が痛い。

日本では、御坊様にお経や説教にお金を払っても、怪我や病気の回復のお礼にお金を払う習慣は無かったと思う。

それで、マシュマロちゃんと喧嘩になってしまった。「そんな大金を出す必要はない。」という僕のことを、マシュマロちゃんは、ケチで無信心と感じたようだ。

仏様に唱えるお祈りは、サンスクリットの言葉であってタイ語ではなく、日本のお教と少し似たところはあるが意味は分からない。お坊さんのタイ語も聞き取れず、僕には意味をなさないので、有り難さは感じられない。

お教と雑談の後、御坊様が縁台の上から降りてきて、僕の右肩を撫で、肩にふうっと何度も息を掛けてくれたときは、「この偉いお坊さんは病を早く治したり、痛みを取り去る神力があるのだろうか?」と思ってしまった。

仏教にそんな考えや風習があっただろうか? よく分からないが、タイには確かにあるらしい。

痛いところを擦ったり、息をかけたりするのは、「痛いの痛いの飛んでけー」の如く、古代から何処にでもある人間の自然な感性である。ワンコだって痛いところはペロペロ舐めてくれる訳だから、偉い御坊様がやれば普通以上の尽力を発揮すると考えるのは分からなくもない。

しかし、元来不届き者の僕は、老いた御坊様の臭い息よりも、若くて美しいお娘さんにやってもらった方が嬉しいし、きっとそっちの方が効果が高いと思ってしまう。

仏教だけじゃなくて、お酒や鶏の肉が大好きな土地の神様にも御礼をしないと行けないらしく、マシュマロちゃんは大量のお酒と鶏姿をしたの焼き物をも買って来た。こちらは、後日カオヤイ国立公園内にある神様にお供えする予定らしい。

それで気持ちがさっぱりし、不安から開放されるのなら結構なことだが、僕としては次の保険をどうするべきかとか、失ったお金と時間をどうやって回収するかの方にお金と時間を使いたいと思ってしまう。

タイは日本と宗教は似ている方だと思うが、宗教に関して心から共感するのは簡単じゃないと思った。

タイ人は最強

タイ人は最強だ。

扇風機は何時も最強レベル。微風など決してしない。だから、半年でモーターが壊れる。若しくはファンが割れる。昔、寝るときに子供に扇風機の風を当ててると、脱水症になって死んでしまうと言われていた。だから、夜は微風の首振りが常識だったが、タイ人はレベル3の首振りなし。至近距離からの直風。それでも子供が死んだという話は聞かない。

ガスコンロの火は常に最強で、決して中火や弱火は使わない。唐辛子エキスが脂の煙と共に台所に立ち込めて、咽て息出来ないし目が痛くて開けてられない。音も凄い。

エアコンの設定温度は設定限界の17℃。送風は最強。25℃くらいに設定すると、「そんなじゃ冷えない」と言う。設定温度に下がるまでコンプレッサーは回りっぱなしなので、必要以上に設定温度を低くしたからといって、早く設定温度まで温度が下がる訳じゃないのに、そのことを理解できてない。

車はブレーキを踏むか、アクセルを最強フルスロットルに踏み込むかのどちらかしかしない人がいる。大抵、運転者は最低賃金で雇われた無学な貧乏人で、車は壊れかかった古いピックアップ。爆音と真っ黒い排気ガスを出して走っている。

カーオーディオの音も最強。デカいスピーカーと高出力アンプ付けて、窓開けて大音響(大騒音)を放ちながら車を走らせるのが好きだ。自分の好きな音楽を親切にも皆さんに聞かせてくれているつもりなのだろうか?

コーヒーの甘さも最強。

セックスも最強。

1.40

モン族の街に来ると、何処もやたらと子供が多い。

娘は14,15歳位になると、可愛さに加えて急に脂肪が載って色気がプンプンしてきて、17歳迄に大抵種付けされる。

20歳になれば、2児の母。

だから、村は何時も赤子や子供だらけだ。

しかし、こういう風景も既に田舎だけのものになっている。

今、日本の出生率は1.42位だったと思うが、現在のタイの出生率は、なんと日本より低い1.40。

20年先、どうなってしまうのか心配だ。

腹立つ貧乏人

貧乏人には時々腹が立つ。

貧乏人は鏡なんて持ってない。だから、自分の顔に出来たニキビを調べるのに、そこらへんにあるオートバイや車のバックミラーを使う。勿論、他人のだ。

そして、良くニキビが見えるようにミラーを動かす。

見終わったら用済みのバックミラーはそのまま。

そこが腹が立つ。

バックミラーが動かされているの気付かず、運転中にバックミラーを見ると、後ろが見えないことに気付く。

安全じゃないし、バックミラーの位置調整は案外面倒だ。貧乏人は車なんか持ってないから、迷惑だということに気付かない。

ファンデーション用の小さな鏡を持っていたとしても、顔をチェックしたくなると、条件反射的にバックミラーのところに行く。

心の広い僕は、このことにほんとに腹が立つ。

人の鏡で顔見るな!と言いたい。

タバコ一箱節約して手鏡くらい買えってんだ。

それから、自分の携帯のカメラが鏡代わりに使えるってことくらい、いい加減学んで欲しい。

ああ、やだやだ貧乏人。

貧乏人になりたくない。

ハメケン激怒

性格温厚で、何時もへらへらしているハムケンだが、この前、珍しく激昂した。

もう一月も前のことだ。

あまりにも腹が立って、相手を殴り倒すか、余程痛い目に会わせてやらないと気が済まかったのだが、悲しいことに腹が立った時には、もうその相手は手の届かないところに居た。

腹が立って夜中に眠れないし、仕事中も精神衛生宜しくなく、酒も増えるし、健康には良くなかった。

それを見ていたマシュマロちゃんは言った。

「あなたが怒る気持ちは分かるけど、もう怒らないで。今更怒っても何も変わらないし。こんなことは、日本ではないとしても、タイでは普通のこと。もう怒るのを止めて忘れた方が良い。」

そう言われて、僕は暫く怒りを封印することにした。

それから一ヶ月、僕はそのことについて考えない事にした。ブログにも書いてない。

その間、マシュマロちゃんが肺炎で入院したし、僕らが不在の間、どうやっていちご園を仕切ってゆくかといった差し迫った課題に追われて、本当に怒りを封印していた。

しかし、今振り返ってみると、やはり腹が立つ。

もう済んだことだし、こちらの被害は上手く乗り越えたので、今となってはどうってことはないのだが、不愉快極まりない記憶であることには変わりはない。

せっかく煮え繰り返った腹が収まりつつあるので、詳細に経緯を書くのは、もうちょっと先にすることにしたいが、腹が立った相手と言うのは、住込みワーカーのことである。

あいつら、悪気は無さそうだが、人間失格だ。

この俺様との、幾度かの堅い約束をへらへらとぶち破った。

努力して培ってきた信頼関係を屁の如く放り去った。

何時ものように、義理と恩義と仇で返してくれた。

しかし、本人はそれ程悪いことをしたという認識はない。

ただ、ちょっと気が変わっただけだ。

全ては自由。自分の都合優先。人への迷惑なんて関係ない。

今頃、もしかして後悔しているかも知れないが、後悔しているのは僕を裏切った事では無くて、割が良い仕事を無くして、不毛な貧乏生活に戻ったことだけだろう。

タイ人がしないこと

タイ人はこうだ、と言って批判するのは、今の若いもんはこうだから駄目だ、と中年親父が言うようなもので、僕は好きではない。

タイ人といっても、実にいろんな性格があって、十把一絡げにするのは乱暴過ぎる。

しかし、平均的には、国によって国民性というか行動パターンに違いがあることは確かで、特に世界でも極めて特異的な行動パターンを持つ日本人の目から見ると、タイ人のそれは驚愕に値することが多い。

そこで、今日は敢えて、多くのタイ人がしないことで日頃から気になっていたことを、敢えて「タイ人がしないこと」として列挙してみたい。

なお、順不同である。

① 手を洗う。

外出から帰ったとき、料理をする前、食事をする前、掃除をした後に、タイ人が手を洗うのを見たことがない。

手を洗うのは、手が仕事で泥だらけになった時か、子供のゲロを処理して手がベトベトになったときだけ。

② 座る前に椅子の上を片付ける。

特に車のシート。何が置いてあろうと、それを退けることなく上から座る。お陰で、僕の帽子は何時もクチャクチャに型くずれしてしまう。充電中のモバイルの上にも座るので、USBコネクタがすぐに壊れる。駐車場出るときに駐車券が見つからなくて、いつも無くして管理が悪いだの文句を言うも、車を料金所の脇に停めて矢探ししたら、自分のケツの下にあったというのは何度も経験した。

③ ガスの弱火を使う。

料理には火加減が重要なのに、タイ人は決して弱火や中火は使わない。常に最強火加減。つまり、ツマミはオンオフのみ。

特に、目玉焼き、玉子焼きは、最強の炎でカンカンに熱した油たっぷりのフライパンで焼かなければならない。

④ スケジュールをメモる。

何時何処で何をするという重要な取り決めでも、それを忘れないためにメモを取ることは絶対にしない。そして、予定通り約束を忘れる。

約束を覚えておく努力はしない。一回だけの約束で約束通り実行される確率は10%。時間をおいて3回確認すると50%になる。未来は未定。大事な用事なら、向こうから催促があるでしょ。そしたらやれば良い。

⑤ 自分のお金と人のお金を区別する。

自分の手に持ったお金は、汗かいて稼いだものだろうが、人から預かったものだろうが、盗んだものだろうが、みな一緒。区別なく安易に使ってしまう。

⑥ 計画設計してから実行する。

日本人なら、先ずは段取りや必要なものを用意して、出来そう分かってから実行するのが普通だが、タイ人は先ず実行する。そして、足りない物に気付いてそれの調達に出掛ける。やり始めてから、重要な物がどうしても手に入らなくて、やっと出来ないことに気付く。でも、めげない。最終目標をできる物に変更するだけだから。

⑤ 自分の感情を抑える

これ、日本人が世界一得意とすること。何しろ、生まれてから死ぬまで、我慢我慢の人生。タイ人は我慢しない。というか出来ない。自分の感情が高まれば、時と場合に依らずそのまま爆発するのみ。感情イコール行動。

⑥ 料理に使う調味料を測る

砂糖、塩、ナンプラー、味の素、その他あらゆる調味料を測って入れることはしない。大袋やボトルからそのまま鍋やフライパンに注ぎ入れる。だから、常に入れ過ぎるか足りないかの何れか。

⑦ 冷蔵庫を整理して使う。

綺麗に整理された冷蔵庫を見たことがない。前から新しい物を押し込むので、後ろのは見えなくなり存在自体を忘れる。冷蔵庫の中の半分は、既に使えなくなった物で閉められている。

⑧ 大事な物をきちんとあるべき場所に戻す。

指輪、鍵、腕時計など、大切だがいつも使う物を、きちんとあるべき場所に戻らず、そこらへんに置くので、何時も何処に行ったか探している。

⑨ 洗濯機の容量を考慮して分けて洗濯する。

洗濯機に多くの衣服をぶち込み過ぎて、綺麗に洗えない。粉石鹸がジーンズの間に溶けずに溜まっていることもある。コイン洗濯機でコインを節約する為に目一杯入れる癖がついている。

⑩ 万が一の場合のことを想定して対策を練る

これも日本人の得意とするところ。だから、いくらお金があっても、なお老後が不安。タイ人は万が一のことなど想定しないので、対策などある訳ない。

などなど。

反論はこの際受付けません。

他にもこんなんあるよというコメントは歓迎。

プリティー長嶋さんとAEDとチェンマイ美人

プリティー長嶋さんが僕のいちご園に来たのは、ズバリついでであって、メインの目的はチェンマイ女性に会うためだった。

そのチェンマイ女性、日本に何度か来ていて、日本びいき。プリティー長嶋さんが、わざわざチェンマイまで行った訳だから、もちろんかなりの美人。

しかし、チェンマイは日本人好みの美人揃いなので、どうしてその特定の女性に会いに行ったと言うと、、、

話が長くなり疲れるので省略。。。。

超簡単に言うと、、、

ご存知のようにプリティー長嶋さんはAEDつまり自動体外式除細動器の普及に情熱を燃やしていて、そのお陰で千葉では(僕は千葉県人)至るところにAEDが設置されている。

どうしてプリティーさんがAED普及に情熱を燃やしいるのかという背景理由は、聞いたかも知れないけれども忘れてしまった。

それで、その美人は、日本旅行中に心臓発作を起こし救命救急センターで緊急手術を数回受け、一命を取り留めた。

幸運だったのは、お金より命を救うことを優先した日本の医療現場。

不運だったのは、旅行保険に入っていなかったこと。

結果、医療費が1000万円超に。

1000万円は僕でも払えない。 MP嬢やったとしたって無理。

保険がないとこんなことになる。

日本のテレビでも放送したそうだから、知ってる人も多いでしょう。

とにかく、先ずはこのビデオを見てください。

命が助かったのは何よりで、それは日本が誇る医療現場の質と心意なんだけれど、プリティーさんは、せっかく日本を旅してくれた人達がこういう不幸に会わない為に旅行保険に入りましょうプロジェクトを立ち上げようとされている。

保険にさえ入っていれば、借金地獄に落ちなくてすむ。今では、タイでもインターネットで簡単に加入できるようだ。

まあ、これはタイ人に限ったことではなくて、海外に行く時は誰もが加入しておきたいことではあるものの、タイを愛する読者の皆様、もしや保険会社、旅行会社関係の人をご存知でしたら、上のビデオをシェアしてあげて下さい。

格差社会

僕が青年の頃、日本は世界のどの共産主義国家も成し遂げられなかった程共産的だった。格差がなく、努力すればそれなりに報われる一億総中流社会があった。

何処の共産主義国よりも資金還流が上手く働いていたのだろう。

また、個人よりも全体を重んじる社会だった。全体主義と言っても、国家や社会のためではなく、「会社」のためである。すなわち、資本主義の仮面を被った「会社主義」社会だったと言うのが僕の持論。

何しろ、会社の都合を家庭や個人よりも優先するのは当たり前。家庭を犠牲にしてまで仕事つまり会社に尽くすのが美徳であったし、そうすればそれなりの見返りもあった。

以前勤めていた会社で、プライベートな都合で会社の仕事を断った事があるが、上司から、

「公私混同するな!」と言われ、驚愕した覚えがある。

株式会社の仕事なんてすべてプライベートであって、そこで働くのも自分のプライベートな都合であって、会社の仕事を「公」だなんて微塵も思っていなかったので驚いた訳だ。

そんな風に、会社主義社会は少しおかしなところがあったが、今よりずっと平等だった。特に一生懸命勉強していい大学に入り、いい会社に入れば、人生半分成功したようなものだった。今は全く違うが。

今は日本に限らず、世界中で格差が広がっていて、危機的な状況になってきている。

アメリカも中国もロシアも、そしてタイも、一部の資産家が国の総資産の大部分を保有している。

日本や中国、アメリカの格差についてはよく知られているが、中産国から先進国入りを目指しているタイは、資本還流が一向に働かず、格差は後進国時代から全く解消されていない。

タイの所得はこの20年間で格段に増えた。相対的に円の価値が悲しい程落ちたのは、タイ好きの人には身に沁みていることだろう。

しかし、所得分配を統計的に処理し、所得の偏在性を示すジニ係数(0に近いほど平等、1に近いほど不平)を見ると、タイは90年代以降0.53ほどと、非常に高い不平等さのままだ。

日本や欧米先進国で格差が広がっていると言っても、タイの数字と比べたら格段に平等だ。

タイでは、トップ20%の高所得者の収入は、ボトム20%の低所得者収入の平均12.8倍(2008年)にものぼるということだ。

この「トップ5分の1/ボトム5分の1」の貧富差比率は、東南アジア諸国でも9~11倍、欧米では4~8倍といわれるから、タイの貧富の差が如何に大きいかが分かる。

人口の6割の人間が、国民総所得の4分の1しか得ていなくて、トップ2割が、半分以上の55%を手にしている。

所得は増えても、この構造が20年以上変わっていない。

さほど大きくもない中小企業の社長が、大邸宅に住んで、ベンツに普通に乗っている。従業員が100人いない缶詰め工場の社長が、億単位の邸宅を3つ持っていて、ベンツはおろか、ポルシェやフェラーリ7台持ってた。搾取し放題だから出来る。

利用価値があって値上がりしそうな土地は、バンコク在住の資産家に買い占められている。

もちろん政治のせいであるが、そもそも人々が格差を当然のことのように受入れているかのように思える事がある。

上流の人は、力仕事や単純作業は自らやるものではなく、小銭で下流階級の人にやらせるのが当然である。上流の人が畑仕事なんかしたら、おかしのだ。

家事掃除は下層階級のメイドの仕事。

車を洗うのも下層階級の人の仕事。

階級によって接する態度や言葉遣いを変えるのは当たり前で、下層階級にワイなどしない。

銀行に両替に行っても、僕は丁寧な接客を受けるが、住込み労働者を使いに行ってもらうと、口汚い態度で扱われ両替さえもままならない。20バーツ札100枚と、10バーツコイン100枚が欲しかったのだが、労働者は20バーツ札20枚と1バーツコイン1000枚としか貰えなかったので、後で僕が両替に行き直さなければならなかった。1バーツコイン1000枚貰ってどうする? 住込み労働者は気分を害し、もう銀行には行きたくないと言っていた。日本で、そのような差別的な接客を受けることはないだろう。アメリカでは僕も経験したけど。

平等な国の人は、服装や身に着けるもの、乗る車に気を使う必要はないが、格差が大きく差別が露骨な国では、それらがとても重要になってくる。社長が薄汚いTシャツやポロシャツでは、尊敬されない。暑くても、何時もびしっと背広を着て、運転手付きの黒の車に乗らないといけない。

店の経営者は接客などせず、お金と在庫と従業員の働きぶりを見ていなければならない。そうしないと、経営者と見なされずに舐められる。

下層階級の人は、事実上良い教育を受ける機会はなく、日雇い労働くらいしか仕事はない。日雇い労働だから、当然その日暮らしになる。夕方、ヒグラシはカネカネカネカネと鳴くしかない。

こういう国で、上流階級として生きていたら、誰もこの社会構造を変えようとは思わないだろう。下層階級には、何時までも下層階級でいてもらわないと困るから。

誰が何と言おうが、手段を選ばず、マネーの上から下への循環は阻止しないといけない。

この状態では、この国が中産国から脱することは到底出来ないだろうと思う。

 

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サラリーマンはもう飽きた。気がつけば人生の残りも僅か。ここはひとつ、窮屈な日本を抜け出し、活力あるのにどこかゆる~いタイを舞台に、自分らしい第二の人生に旅立つことを決めてしまった50代親父。

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